中古機械の対中輸出 |
◎輸入中古機電製品に対する検査強化に関する件
(2003年5月1日)
一、中国国家質量監督検験検疫総局(略称:国家質検総局)は2002年12月19日、「輸入中古機電製品検査監督管理規則」を公布し、03年5月1日から、中国向け中古機電製品に対する検査強化に乗り出すこととなった。この強化措置におけるキーポイントは、一部中古機電製品に対しては、船積み前事前検査を義務付けると言うものであるが、その対象品目並びに輸出国における検査機関については、一切触れられていない。
二、当協会北京事務所が03年2月、国家質検総局に確認したところ、船積み前事前検査については、@5月1日の施行前までに実施細則を公布し、具体的な品目を明らかにする、A海外の検査機関に業務を委託する可能性もある旨表明した。
三、4月24日、国家質検総局は公告39号、公告40号を相次いで公布し、一部詳細事項が明らかになった。以下ポイントを列記する。
1.39号では予定通り、5月1日から船積み前検査の施行を謳っているが、40号では施行を8月1日に延期するとしている。新しい公告を基準とすべきで、実施は8月1日以降である。
2.全ての中古機電製品は、貨物到着90日前までに、国家質検総局或いは直属の検査検疫局(地方における国家質検総局直属の検査検疫局)に届出る。中央の国家質検総局に届出る中古機電製品リストは公告39号に掲載。その他の中古機電製品は直属の検査検疫局に届出る。
3.国家質検総局或いは直属の検査検疫局は、ワーキングデー5日以内に船積み前事前検査の必要の有無を審査し、通知する。
4.船積み前事前検査の対象となる中古機電製品は次の通り。
@人身の健康・安全、衛生、環境保護に係わる大型中古設備:HSコード及び具体的な製品名は明記されていない。
A貿易主管部門が許可し、かつ特殊な必要性がある製品:具体的な製品名は明記されているが、例として挙げられているのみである。よって明記されていない品目も対象となる可能性がある。また輸入禁止となっている品目(自動車など)が一部含まれている。
B8年前以上に製造された機電製品:未使用であっても、中古の範疇に含まれると考えられる(「輸入中古機電製品検査監督管理規則」第3条を参照)。
四、当該措置実施後に発生すると考えられる問題
1.船積み前事前検査実施の必要性につき、明文化された基準がない。そのため、中国側検査機関の判断に委ねる部分が多くなり、地域によって差異が生じる可能性がある。
2.8年以内に製造されたが、未使用である機電製品については、部品の消耗度が激しい場合は、中古であると判断される可能性がある。しかし消耗度の激しさに対する明確な基準がないため、トラブル発生の原因となりかねない。
3.船積み前事前検査の対象品目は、貨物到着後にも検査が実施されるが、両者の結果が異なった場合、後者の検査結果を基準とし、場合によってはシップバック措置が採られる。この際、貨物到着後検査の結果に納得できない事例が発生する可能性がある。
参考文書
1.輸入中古機電製品検査監督管理規則(02.12.31公布)
2.輸入中古機電製品検査に関するQ&A(03.02)
3.中国国家質量監督検験検疫総局公告2003年第39号(03.04.24)
4.中国国家質量監督検験検疫総局公告2003年第40号(03.04.24)
*なお、当協会会員企業で、参考文書1−4の入手を希望される場合は下記、までご連絡下さい
日本国際貿易促進協会 業務本部(担当:安田 電話:03-6740-8271)
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